なんかやっと読めるタイトルになった気がします。
国士無双。マージャン!
国士は上がったことないです・・・orz
春秋戦国時代は今の日本で使われている熟語の宝庫であります。
読むととても楽しいです。特におすすめは鄭問(チェンウェン)先生の「東周英雄伝」
中でも好きな話は
「貪財将軍」王箭
タイトルからしていいですよね。どんざいですよ、どんざい!(?
どんな将軍やねん!
このちっとも英雄っぽくない名前が実に気に入っています。
以下はネタバレ。
秦の始皇帝の中華統一まであとわずか。
残る楚国の攻略の軍議中に始皇帝(まだ皇帝ではないです。秦王ですな)が如何ほど兵力が必要か問います。大将軍王箭は「60万の兵力が必要」といいます。秦王もビックリ。
そんな中若い将軍が「私なら20万で大丈夫」といいます。
兵士を集めるのも大変な世の中、秦王は若い将軍に指揮を取らせて王箭を引退させます。
その祝いの席の後、桶に残り物を詰める王箭の姿を見て、バカにした男を若い将軍はぶちのめします。若い将軍は王箭のことを崇拝に近いくらい尊敬していたのです。ですが王箭は「あなたの使っていない別荘を安く譲ってはもらえないだろうか?」と話してあきれさせてしまいます。
さて、実際に若い将軍は快進撃を続け、楚軍を破っていきます。最後まで秦に敵対しただけあって、楚は広くて強大な国家です。進撃して城を陥落させるたびに兵士を守備に残していかなければなりません。兵力が少なくなった若い将軍は、楚軍に最終的に敗れてしまいます。補給線が延びると勝てないのは今も昔も未来も似たようなものです。若い将軍は降格させられ平民に落とされてしまいます。
焦った秦王は王箭を引退させたことを悔やみ、家まで行き、頭を下げて出陣を要請します。
秦王はまぁ皆さんのイメージどおりな感じなのでその人物に頭を下げさせるということが如何に大変かお分かりでしょうか。
王箭は出陣にひとつ条件があるといいます。それは何かと秦王が訪ねると、
「兵力は60万でなくてはなりません」
当時の人口を考えれば、60万という人数はものすごい数字です。今の日本でいうと6000万の人間をそろえるくらいの動員数になります。
出陣間際に、王箭は秦王に勝利した暁には良田美築をくれ、とリストを渡します。その貪欲さにさすがの秦王もあきれるほどです。さらに進撃している最中でも何度と無く使者にそのことを念押しさせています。
以前に若い将軍に殴られてうらみに思っていた男は「これだけの要求に応えていれば、そのうちに王の位も狙うのではないか」と讒言します。が、秦王は「小利を貪る者はそのような大それたことを考えれぬものよ」と取り合いません。あの猜疑心のつよい秦王ですらも一蹴します。
それを聞いた王箭の眼が光ります。信任を得たことを確認した王箭は戦に集中します。
王箭は各地で勝利し、ついに楚を破り、秦の全国統一を成し遂げたのです。秦王が喜んで良田美築を王箭に与えたことは言うまでもありません。
若い将軍の別荘を買い取っていた王箭は、若い将軍にその別荘を譲ります。
「あなたは分かっていらしたのですね。私が楚に破れ平民に落とされることも。そのためにこの別荘を買い取ったのですね。そしてその貪財も、すべては王の信任を得るための芝居だったのですね!」王箭は笑いながら去っていきます。
「老獪な狐狸どのよ。まさに私の偶像となるにふさわしい」
始皇帝は、その生い立ちなどもあり猜疑心が強く臣下を粛清することが多かった人物です。
その中で悠々と信任を得ていたこの王箭将軍は実に君主の心情を理解するに長けていた人物だったのでしょう。
国士無双。マージャン!
国士は上がったことないです・・・orz
春秋戦国時代は今の日本で使われている熟語の宝庫であります。
読むととても楽しいです。特におすすめは鄭問(チェンウェン)先生の「東周英雄伝」
中でも好きな話は
「貪財将軍」王箭
タイトルからしていいですよね。どんざいですよ、どんざい!(?
どんな将軍やねん!
このちっとも英雄っぽくない名前が実に気に入っています。
以下はネタバレ。
秦の始皇帝の中華統一まであとわずか。
残る楚国の攻略の軍議中に始皇帝(まだ皇帝ではないです。秦王ですな)が如何ほど兵力が必要か問います。大将軍王箭は「60万の兵力が必要」といいます。秦王もビックリ。
そんな中若い将軍が「私なら20万で大丈夫」といいます。
兵士を集めるのも大変な世の中、秦王は若い将軍に指揮を取らせて王箭を引退させます。
その祝いの席の後、桶に残り物を詰める王箭の姿を見て、バカにした男を若い将軍はぶちのめします。若い将軍は王箭のことを崇拝に近いくらい尊敬していたのです。ですが王箭は「あなたの使っていない別荘を安く譲ってはもらえないだろうか?」と話してあきれさせてしまいます。
さて、実際に若い将軍は快進撃を続け、楚軍を破っていきます。最後まで秦に敵対しただけあって、楚は広くて強大な国家です。進撃して城を陥落させるたびに兵士を守備に残していかなければなりません。兵力が少なくなった若い将軍は、楚軍に最終的に敗れてしまいます。補給線が延びると勝てないのは今も昔も未来も似たようなものです。若い将軍は降格させられ平民に落とされてしまいます。
焦った秦王は王箭を引退させたことを悔やみ、家まで行き、頭を下げて出陣を要請します。
秦王はまぁ皆さんのイメージどおりな感じなのでその人物に頭を下げさせるということが如何に大変かお分かりでしょうか。
王箭は出陣にひとつ条件があるといいます。それは何かと秦王が訪ねると、
「兵力は60万でなくてはなりません」
当時の人口を考えれば、60万という人数はものすごい数字です。今の日本でいうと6000万の人間をそろえるくらいの動員数になります。
出陣間際に、王箭は秦王に勝利した暁には良田美築をくれ、とリストを渡します。その貪欲さにさすがの秦王もあきれるほどです。さらに進撃している最中でも何度と無く使者にそのことを念押しさせています。
以前に若い将軍に殴られてうらみに思っていた男は「これだけの要求に応えていれば、そのうちに王の位も狙うのではないか」と讒言します。が、秦王は「小利を貪る者はそのような大それたことを考えれぬものよ」と取り合いません。あの猜疑心のつよい秦王ですらも一蹴します。
それを聞いた王箭の眼が光ります。信任を得たことを確認した王箭は戦に集中します。
王箭は各地で勝利し、ついに楚を破り、秦の全国統一を成し遂げたのです。秦王が喜んで良田美築を王箭に与えたことは言うまでもありません。
若い将軍の別荘を買い取っていた王箭は、若い将軍にその別荘を譲ります。
「あなたは分かっていらしたのですね。私が楚に破れ平民に落とされることも。そのためにこの別荘を買い取ったのですね。そしてその貪財も、すべては王の信任を得るための芝居だったのですね!」王箭は笑いながら去っていきます。
「老獪な狐狸どのよ。まさに私の偶像となるにふさわしい」
始皇帝は、その生い立ちなどもあり猜疑心が強く臣下を粛清することが多かった人物です。
その中で悠々と信任を得ていたこの王箭将軍は実に君主の心情を理解するに長けていた人物だったのでしょう。
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by osp_4410
| 2007-08-01 02:00
| コミック